♥恋と事件簿♥
第三部 ①~家族~
「まーた我が家に涅槃像」
「まーた出たよ、その台詞」
「今日はどうしたの?」
「わかってるくせに;;」
早いもので今日はクリスマスイブ。
母親の誕生日でもある為、斗志樹と斗真家族とで実家に集まった。
あの轢き逃げ犯と、首謀者として原田実咲が捕まり、3ヶ月。
放火犯でもあった男は懲役12年、原田実咲には賠償命令の判決が出たのは11月1日。
悠呀の墓前で報告も済ませた同月11日に入籍。
同月いっぱいで父親は依願退職と、色々あったけどようやく落ち着いて来た気がする。
斗志樹から貰った結婚指輪が嵌まる左手の薬指を寧々に撫でられながら起き上がり、避けて来た3年分の想いを込めて抱き締める。
ケジメとして、悠呀とのペアリングはケースへとしまって大切に保管してる。
買い出しに出てたみんなが戻って来ると、寧々はパパである斗真の元に行ってしまい、私は義妹である蘭々-ララ-ちゃんが居るキッチンへと行く。
「いくらだった?」
「あ、お義兄さんが全部出して下さいました」
「じゃあ、手伝うよ」
「すみません;;専業主婦なのに料理が苦手で;;」
「そんな事ないよ。斗真も美味しいって言ってたし」
相変わらず気前良い斗志樹にはもう慣れたというか、諦めてる為、とりあえず調理を手伝う事に。
手を洗い、母親のエプロンを付けて先ずはローストビーフの準備。
香草とスパイスに漬け込み、オーブンを予熱。