♥恋と事件簿♥
「彼女のお陰でオタクは卒業しました!もう、愛依さんに頻繁に会わなくても僕の元気は彼女がチャージして下さるようです!#*#△#※#……じゃ、また来ますっ!!;;」



「あ、うん;;」



…来るんだ;;

とは口に出せなかったが、相変わらず聞き取れない。

そこだけは直らないようだ。



「あ、ちょっと待った!」



手を振り、さよならタイム。

なのに、斗真が誠君を止めた。



「ちょっと訊きたいんだけど。君、電話は電話でもイタズラ電話しなかった?」



「しませんよっ!!;;」



「難波刑事をストーカー紛いな行為した?」



「しません!!この怖い人と結婚したと聞いてるし、僕にも彼女が居るのにしません!絶対にしむせん!!」



…普通は、そうだよね。

誠君は鼻息荒くフロアーを出て行く。

私は彼女に頭を下げて、プレゼントとして渡された紙袋を開けた。

中身は苺がゴロゴロと入ったロールケーキ。

“明けましておめでとうございます。愛依さんが怪我なくお仕事出来ますように祈ってます。愛依さんが幸せな1年を遅れますようにも祈ってます。愛依さんが居て下さったから、僕たちは付き合う事が出来ました。本当にありがとうございました。愛依さんが大好きです!誠・知海-チカイ-”



「同じ名前で、私のお陰?;;」



どちらにせよ、イタズラ電話は100%あの子じゃない。

…じゃあ誰が?
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