♥恋と事件簿♥
「お袋じゃなく、姉貴がターゲット。物好きだよな」



「煩いね、あんた」



「お褒めに与り、光栄です」



まぁ、私もそう思うけど。

何で私なのかと。

結婚して、家族に守られて、刑事課も順調で何事もなく毎日が過ぎて行くと思ってたのに。

いくら無視を決め込んでも、胸糞悪い。

気分が良いものではない。

斗真を流して、ケーキのビニールを剥がす。

プラスチックの小さなナイフが付けられており、それで3等分。

お節はなかなか進まなかったが、ケーキはバクバクと食べれた。

斗志樹が苺だけを食べる為、余ったスポンジとクリームも頂戴。



「あー、美味しかった」



「……どんな味覚してんだよ;;」



甘いケーキを食べた口に、ピックに刺してある黒豆を食べると斗真に引かれる。

黒豆だって甘いのに、どんな味覚でもない。



「ふぁー……っ」



豪快に欠伸をし、斗志樹の肩に凭れて今度こそ寝る事に。

斗志樹はソファーに背を預け、経済関連の雑誌を読んでこちらを見ない。

何故こんなものを読んでるかはわからないが、読めれば何でも良い人。

だが、嫁が退屈してるのに、相手をしてはくれないのか。

--プルルル…ッ



「私だー……」



斗真の次は私の番。

重たい身体で電話を取りに行く。



「木ノ島警察、刑事課」



『……愛してるよ……。だから、気持ち良い事しようよ……』



…またかよ!!
< 114 / 218 >

この作品をシェア

pagetop