♥恋と事件簿♥
「…………。俺、か……」
神楽の話を聞いた斗志樹は、私の手を握る手に力を込めた。
そんな筈はないと、否定出来るような女ではないのは斗志樹も承知ってとこだろう。
「この写真を撮った日時の小宮刑事のスケジュールを探ってみます。それで白か黒か、概ねわかるでしょう」
神楽はそう言って、「それじゃ」と自分の部署へと戻って行く。
「上手くやれれば良いけど、神楽がヘマしたら最悪な展開を迎えますよね……?」
「わかってても口に出すな。課長も愛依も、考えないようにしてるだけでわかってんだ」
臼杵の正直な発言に、磯村さんが天を見ながら言う。
本当に考えたくなかったのに、脳裏に過ぎった小宮が薄気味悪く笑った顔。
それで研修で習った通りに暴れられたりしたらどうしよう。
「だけど――っ!」
「どうしたのかな」
「副署長。どうなさったんですか」
場が荒れるかも知れない、そう思った時。
副署長がやって来た。
平静を装って出迎える斗志樹。
私たちは立ち上がり、頭を下げた。
「黒田君、決まったよ」
「…………」
「異動はなくなった。そして、籍をこっちに正式に移そうと、山下さんが」
「……山下?」
…叔父さんが関わってるの?
神楽の話を聞いた斗志樹は、私の手を握る手に力を込めた。
そんな筈はないと、否定出来るような女ではないのは斗志樹も承知ってとこだろう。
「この写真を撮った日時の小宮刑事のスケジュールを探ってみます。それで白か黒か、概ねわかるでしょう」
神楽はそう言って、「それじゃ」と自分の部署へと戻って行く。
「上手くやれれば良いけど、神楽がヘマしたら最悪な展開を迎えますよね……?」
「わかってても口に出すな。課長も愛依も、考えないようにしてるだけでわかってんだ」
臼杵の正直な発言に、磯村さんが天を見ながら言う。
本当に考えたくなかったのに、脳裏に過ぎった小宮が薄気味悪く笑った顔。
それで研修で習った通りに暴れられたりしたらどうしよう。
「だけど――っ!」
「どうしたのかな」
「副署長。どうなさったんですか」
場が荒れるかも知れない、そう思った時。
副署長がやって来た。
平静を装って出迎える斗志樹。
私たちは立ち上がり、頭を下げた。
「黒田君、決まったよ」
「…………」
「異動はなくなった。そして、籍をこっちに正式に移そうと、山下さんが」
「……山下?」
…叔父さんが関わってるの?