♥恋と事件簿♥
「娘が恋愛妄想で、母親は被害妄想って、よっぽど人を困らせたいんやな……」



「あ、姉貴……;;」



「愛依ちゃん……?;;」



「何ですって!!?」



「この妄想馬鹿親子が……」



「「「『…………;;』」」」



「人ナメてんじゃねぇーぞっ!!」



「――キャ……ッ!!;;」



斗志樹が居ない。

誰が私を止めてくれるのか。

けど、そんな事はもうどうでも良い。

私は今、1人で解決しなきゃいけない。

ここの仲間を守らなきゃいけない。

被害者だった筈が加害者扱い。

見て来た事、逆恨みなんて慣れた事。

だけど、もう無理……。

気持ちの制御が出来ない。

怒鳴りながら蹴り飛ばした、小宮の母親の手首。

手首を押さえて尻もちを着く姿を尻目に、包丁を目で追えば、刑事課のフロア入り口に置かれた観葉植物の植木鉢へと突き刺さる。

これで、包丁はないし、とりあえず安全は確保。



「娘さんがした事はストーカー。犯罪ってわかりますよね?」



「……っ……」



「旦那さんについては、知りません!無所属でも議員として居れたやろうに、追求されて逃げたのはそっちやんか」



追放なんて、ニュースで聞いてないし。
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