♥恋と事件簿♥
「……そんなの、貴方に責任がまるでないみたいじゃない……。娘を狂わせたのは貴方でしょ……っ!」



「――それは違うやろ」



「……!?お父、さん……??」



「貴方……誰ですか?部外者が……」



「愛依の父親ですが?俺が部外者なら、あんたも部外者やろ」



「貴方が娘さんを大切に思う気持ちは、私にも痛いほどわかります。守りたい気持ち。私は、娘がこれ以上、傷付くところを見たくないから」



「お母さん……っ……」



「小宮さん。貴方がすべき事は、娘さんに現実と向き合わせる事ですよ」



どこからか現れた両親。

包丁をハンカチに包んで片す父親と、私の肩を出す母親。

母親の潤む瞳に、私まで涙がこみ上げた。



「向き合わせたくても、あの子は本当に斗志樹君を……っ……」



「愛依も、斗志樹を本気で愛してんで」



「――……っ゛!!」



「斗志樹も、愛依を愛してくれてる。嫁と出会った時に感じた“運命”とやらに、確信を持たせてくれたのは……2人やしな」



…お父さん……?

お父さんが、運命を……?
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