♥恋と事件簿♥
物音しない3階を気にせず、4階に行けば、展望ラウンジで斗真たちが囲まれて居た。

誰かが通信ボタンを押してるのか、中心の会話が聞こえるが、15人。

実行犯の中に、主犯が居たようだ。

しかし、ヘリで屋上へ着かせたのは私の判断ミス。

何としてでも、助けないと……。



『銃を出しなさーい!』



『じゃないと、隙を見て撃っちゃうよー?』



アホな喋りと、自身の判断ミスにイライラが募る。

私は七星に耳打ちをし、数歩下がった。

そして、非常階段のドアから顔半分を出す水瀬部長に出て来るように手で合図。



「「「『おぉ……;;』」」」



「痛いよ、愛依ちゃ-ん!!;;」



SATとSITが犯人たちを取り囲む中、私は七星の背を踏み台にし、犯人の1人を飛び越えた。

私に驚く斗真たちや犯人。

そして痛がる七星の声を聞きながら、私は恐らく主犯の男の首に腕を回し、こめかみに銃を突き付けた。



「武器を捨て、両手を挙げて」



「――捨てるな!」



「捨てろや――ッ゛!!」



「か、確保!犯人確保!!」



主犯が捕まったとなれば、仲間は私の指示に従う。

だが、“捨てるな”の一言に戸惑ったようだが、何とか武器を下ろさせ、水瀬部長の合図で確保。
< 160 / 218 >

この作品をシェア

pagetop