♥恋と事件簿♥
第四部 ③~家族~
―斗真SIDE―
「おはようございます……」
「おはよう」
姉貴が不在の刑事課。
遅刻寸前でやって来た七星は、この1ヶ月で、元々細身ながらかなりやつれ、無精ひげまで生やして覇気がない。
七星をチラッと見て、また書類へと目を向けた兄貴。
朝は姉貴のデスクで仕事し、朝礼などをしてから課長室へ行く兄貴は、ここに来た頃のような無表情が増えたが、俺たちと接する時に変わりない。
「七星君、コーヒー」
「……そんなヤツに出す必要はない。朝礼を始める」
――だが、今日は違った。
目に怒りがちらつき、言葉に刺がある。
「はい……っ」
臼杵さんが、身体をビクつかせながらデスクに戻り、七星のマグカップを隠すように置く。
全員が立ち上がるのを確認した兄貴は、何事もなかったように、いつも通りに朝礼。
確かに感じた怒りは、俺の勘違いか。
それとも、堪え、気持ちを切り替えたのか。
--プルルル…ッ
「……はい、刑事課」
朝礼中、鳴り出した電話に出る。
『斗真君?朝礼中にごめんね。お昼休みでも良いから、ちょっとだけ付き添い頼める?』
「わかった。また後で電話する」
電話の相手は、嫁からだった。
「おはようございます……」
「おはよう」
姉貴が不在の刑事課。
遅刻寸前でやって来た七星は、この1ヶ月で、元々細身ながらかなりやつれ、無精ひげまで生やして覇気がない。
七星をチラッと見て、また書類へと目を向けた兄貴。
朝は姉貴のデスクで仕事し、朝礼などをしてから課長室へ行く兄貴は、ここに来た頃のような無表情が増えたが、俺たちと接する時に変わりない。
「七星君、コーヒー」
「……そんなヤツに出す必要はない。朝礼を始める」
――だが、今日は違った。
目に怒りがちらつき、言葉に刺がある。
「はい……っ」
臼杵さんが、身体をビクつかせながらデスクに戻り、七星のマグカップを隠すように置く。
全員が立ち上がるのを確認した兄貴は、何事もなかったように、いつも通りに朝礼。
確かに感じた怒りは、俺の勘違いか。
それとも、堪え、気持ちを切り替えたのか。
--プルルル…ッ
「……はい、刑事課」
朝礼中、鳴り出した電話に出る。
『斗真君?朝礼中にごめんね。お昼休みでも良いから、ちょっとだけ付き添い頼める?』
「わかった。また後で電話する」
電話の相手は、嫁からだった。