♥恋と事件簿♥
「すみません。私用でした」
「他に連絡はないから良い。朝礼は終了。難波、ちょっと」
「はい」
特に咎める事はなく、朝礼も終わり。
呼ばれて課長室について行くと、デスクに紙袋を置かれた。
「……これ……」
中身はビールと、仏花。
悠呀君の、墓参り用か。
「明日、非番だろ。俺たちの代わりに、行ってくれないか」
「何で兄貴が行かないんだよ」
「……行くのは簡単でも、あいつにキレそうだ」
「…………?」
「“愛依を連れて行こうとしてるのか”と。そんな情けない真似はしたくないだろ、男なら。結婚までしたと言うのに」
「まぁ。男のプライドだな」
「おい!山下、大丈夫か!?」
「「…………」」
兄貴の気持ちは理解出来た為、紙袋を受け取るかどうかを迷ってると、磯村さんの慌てた声が聞こえた。
兄貴と目を合わせ、やれやれと課長室を出る。
「――止めてよもうッ!!」
「煩い!俺は情けない!こんな息子に育てた記憶はねぇぞ、七星!」
目の前に広がる光景は、何とも想定外。
お袋が叔父さんを取り押さえようとし、叔父さんは七星を殴り掛かろうとし。
七星は既に1発殴られたのか、口端が切れて血が滲んでる。
「他に連絡はないから良い。朝礼は終了。難波、ちょっと」
「はい」
特に咎める事はなく、朝礼も終わり。
呼ばれて課長室について行くと、デスクに紙袋を置かれた。
「……これ……」
中身はビールと、仏花。
悠呀君の、墓参り用か。
「明日、非番だろ。俺たちの代わりに、行ってくれないか」
「何で兄貴が行かないんだよ」
「……行くのは簡単でも、あいつにキレそうだ」
「…………?」
「“愛依を連れて行こうとしてるのか”と。そんな情けない真似はしたくないだろ、男なら。結婚までしたと言うのに」
「まぁ。男のプライドだな」
「おい!山下、大丈夫か!?」
「「…………」」
兄貴の気持ちは理解出来た為、紙袋を受け取るかどうかを迷ってると、磯村さんの慌てた声が聞こえた。
兄貴と目を合わせ、やれやれと課長室を出る。
「――止めてよもうッ!!」
「煩い!俺は情けない!こんな息子に育てた記憶はねぇぞ、七星!」
目の前に広がる光景は、何とも想定外。
お袋が叔父さんを取り押さえようとし、叔父さんは七星を殴り掛かろうとし。
七星は既に1発殴られたのか、口端が切れて血が滲んでる。