♥恋と事件簿♥
だが、さすがに兄貴の涙に、俺の涙腺まで崩壊しそうで天を仰ぐ。

誰が、姉貴の為に泣くかよ……。

--ブーッブーッ



「……何。次は携帯って、どうし――…」



『とー……ま…………』



『お義姉さんが、目を覚ましたよっ!!』



「あぁ……、あぁ……っ」



「斗真……;;何で電話で泣いて――…」



『お義姉さん!お義母さんの声、聞こえました?斗真君が泣いてるようですよ?』



『キモっ……』



…おい……;;



「斗真……」



「……姉貴が、起きたってさ」



「兄貴!」



「おう!行こう!あ、斗真!悠呀の墓参り頼んだ!」



…何でまた俺;;

スピーカーにし、微かに聞こえる姉貴のカラカラ声に、お袋は猛ダッシュ。

叔父さんに押し付けられる袋。

中身のビールの缶は凹み、床にあった時点で、なげ落としたのは目に見えた。



「ほら」



もう、墓参りでも何でも引き受けようと、スピーカーを取り止め、兄貴に携帯を渡し、七星を立たせる。
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