♥恋と事件簿♥
「――こちら難波。倉庫横の住宅から煙りを確認。地下に要因ありと推測。至急、応援願いたい。半径2キロ内で避難指示発令します」



『木ノ島了解』



斗真の返事を確認し、私は水道局とガス会社に出動を要請。

七星や手の空いた消防隊員と異常の見られる箇所や、避難が確認してるか1軒ずつ確認して行く。



「主任!救急呼んで下さい!寝たきりのお祖父さんが1人居ます!俺はお祖母さんを背負って出ます!」



「わかった!」



私が確認して出て来ると、隣のお宅に居た七星が顔を出した。

近くを走ってた消防隊員に無線で連絡を頼んでると、ガス会社の車を発見。

駆け寄り、この近辺の配管の図面を出して貰い、先着してた水道局の人が持って来た下水管の図面とを照らし合わせる。



「主任」



「課長、所長さん。ご一緒に見て頂けますか?」



「……なるほど。貴方の考えが、正しかったようだ」



「どっちも古い。多分、ガス管が破裂し、下水管を通って火事を起こしたんだろう」



「でも、火種は?」



「恐らく、あの倉庫の下水管に塵が溜まってたところにガスが流れ、静電気か何かで発火し、下水管を通じて火が回ってる。火事が起きると、安全確認が済むまでガスは供給を停止しますから」




…なるほど……。
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