♥恋と事件簿♥
第五部 ④~異動~
「――本気でこれを?愛依、何だったら、私から働きかけても良いんだぞ?」
「斗志樹とも、一晩中、話し合って決めました。さすがに、まだ警察を辞める覚悟はないけど、息子たちだけでなく、子供を、守りたいから……」
「……愛依……」
翌朝、私は坂田署長の元へと出向き、辞令を撤回し、異動願いを提出した。
最短で、異動出来る卑怯な手を使ってでも、私は刑事課を去ると決めたんだ。
「斗志樹が刑事課の課長を兼務しても良いと言ってますし、刑事課は大丈夫です。なので、よろしくお願いします」
「…………。わかった。地域課の課長と至急話して、交番所長のポストを用意させる。愛依はキャリア組だから、ただの巡査と肩を並べて仕事するにも、勿体ないからな」
「お心遣いに、感謝します」
「……惜しくてならないけどな」
「……すみません……」
坂田署長に頭を下げ、私は朝礼へと向かう。
みんなへの報告も済ませ、磯村さんへの引き継ぎなども、今日1日だけで全てを済ませた。
定時で上がり、悠斗のお迎え。
子供たちと密な時間を過ごし、家族4人で枕を並べて眠る。