♥恋と事件簿♥
第五部 ⑤~天職~
「もうすぐパパの誕生日だから、プレゼント探そうね」
「……うん」
10月の中旬の土曜日。
私は悠斗と愛有斗を連れて、ショッピングモールへと来た。
抱っこ紐で眠る愛有斗。
そして、数週間を過ぎても期限の戻ってない悠斗の手を引いて、紳士服が並ぶショップへと入る。
「これどうかな?」と見せても、悠斗は返事をせずにそっぽを向いてる。
「疲れた?」
「ううん……」
「抱っこする?」
「しない……」
プレゼントはまたの機会にし、今日は帰ろうか。
だけど、悠斗が選んだとなると、斗志樹は喜ぶだろう。
「ジュース飲もうか」
「うん」
イートインスペースのあるドーナツ屋さんへと入って、休憩タイム。
アイスコーヒーとオレンジジュース。
そして、悠斗の好きなフレンチドーナツを頼んだ。
「悠斗、まだパパとママが嫌い?」
「……パパは、“もうちょっと待ってて”って。ママは……?」
「悠斗が理由を言ってくれたら、すぐかも知れないね」
「……ボクー……」
「ん?」
「「「『キャー…ッ!!;;』」」」
「――何っ!!?」
ようやく悠斗が教えてくれるかと思った。
それは悲鳴に邪魔されたけど。