♥恋と事件簿♥
普段はスーツで犯人と向き合って来たのに、デニム姿でなんて、何か不思議だけど、久しぶりの感覚に気持ちが逸る。



「小さい子がたくさん居るところで、危ねぇもん振り回してんじゃねぇよ!怪我したら、どないしてくれたんやボケ――ッ!!」



「――ってー!!!!;;」



「「「『お見事;;』」」」



最低でも1ヶ月、ご無沙汰な蹴り。

男のサバイバルナイフを握る右手首にヒット。

男は手首を掴み、悶えて倒れ込んで確保されてる。

サバイバルナイフの行方を追ってると、私の脚捌きは衰え知らずか、見事に空中を弓を描いて舞い、子供用品売り場にあったバーゲンセールの洋服の山へと着地。



「「「『うぉーっ!!』」」」



その瞬間、周りから大きな拍手を貰い、私は恐縮しながら、斗志樹に抱っこされてこちらを見守ってくれてた悠斗へと駆け寄った。



「ママ?」



「ん……?」



「お巡りさん、終わり?」



「……それはねぇ……」



「課長ポストなら、空いてるだろ」



「パパ、良い子になって!」



「――ブッ!;;」



「パパも、刑事のママが好きだから良い子だ」



「黙って見守れ、山下!;;」



「すみません;;」



…こいつら;;
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