♥恋と事件簿♥
「悠斗」



「何?」



「パパは、本当に良い人。良い人のフリをしてるのは、七星」



「……そうなのっ?」



「良い人だよー?;;」



「……山下!;;」



「けど、悠斗がパパとママをまた大好きと言ってくれるなら、ママ、刑事さんに戻るよ」



「うん……好きだよ?」



「たくさん遊べなくても良い?」



「うん。祖父ちゃんと祖母ちゃんと遊ぶ!」



…あぁ、そう;;



「お迎え、ママじゃない日があっても良い?」



「祖母ちゃんのお車が良い!」



…おーいっ;;



「……戻って良いでしょうか、副署長」



「――もちろんだ」



やたら邪魔な七星と、七星を止める磯村さんを尻目に、私は悠斗と斗志樹と指切り。

若干……、いや、かなり寂しい返答があったものの、悠斗が刑事である私を望んでくれるなら、私は戻る。

本当は、自分も戻りたかったんだから。

お巡りさんが嫌いなんじゃない。

ただ、私には刑事が。

木ノ島警察署の刑事課が合ってる。



「ママ、好きー!」



「ママも悠斗が大好き!」



悠斗はそれを、気付かせてくれたんだね。

ママの、“天職”を――…。




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