♥恋と事件簿♥
今まで何にも感じてなかったのに、告白されたらこんなに視線を気にするものだろうか。

煙草の箱を弄ってた課長と目が合うと、一瞬、気持ちが一致した気がした。

お互いに、守川の視線を感じてると。



「主任!そんな何回も見つめ合うなら、くっついてたらどうですか?(笑)」



…こいつ……;;

守川のペアである、私の一つ下の臼杵亜珠美ーウスキアズミーが冷やかして来た。

臼杵は私の同期で、現在は警ら隊の主任をしてる、臼杵神楽ーカグラーの奥さん。

神楽と結婚してなければ、私は臼杵の才能を見落し、婦人警官で一生を終えさせてたと思う。



「余計な事を言うと、神楽にデマを吹き込むからね」



「それ卑怯!神楽に言ったら、信じちゃいますよっ!」



…でしょうね。

神楽は冗談が通じなくて。

ギャグすら通用しない。

何が面白いのか、意味がわからないらしい。

お笑い番組も見ない、堅物を絵に描いたような真面目な人間。

あいつと付き合い、結婚が出来るのは臼杵だけ。

例えば私だったら、殴ってしまうと思う。

構ってと言えない人間は、神楽とは絶対に無理。



「ふぅぁ……っ。帰りますか?課長の家、遠いんですから」


欠伸をしながら課長に声を掛けて立ち上がる。

車で50分も掛けて来るなんて、意味不明な男を送らなければ。
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