♥恋と事件簿♥
第一部 ④〜恋心〜
「木ノ島2丁目で火災。以前からの放火と似ており、今回も同一犯の可能性ありとの事」
5月中旬。
朝から火災の一方が入り、私は全員を出動させた。
課長は本庁へ行っていて、私は残る事に。
状況を無線で確認しながらも、私は課長に連絡を入れ、現場からの報告を待つ。
「難波主任!」
そこへ、窓口に居る案内課の婦人警官である1人が慌てた様子で現れた。
私は立ち上がり、「何?」と問い掛けた。
「1階の女子トイレに、爆弾のようなものが置かれてます……!」
「はぁ!?」
重なる時には重なる。
私は全指揮を斗真に任せると無線で伝え、1階へと向かった。
連れて来られたのは、署員専用ではなく来客専用のトイレで、何者かに投棄された物だとわかる。
爆弾処理については資格があり、大抵のモノは解除は出来る。
しかし、今回は密閉型で開けたら5分で爆発する仕組みにされていた。
開けなくても、“1時間で爆発する”と言うメモあり、投棄された時刻がわからない為、一刻の猶予もない。
私は署員たちの退避を命じるように伝えて、ドライバーとペンチを用意した。
逃げる足音を聞きながら1人、爆弾を見つめる。
精神統一の為に深呼吸をして、蓋に填まるネジを外した。