♥恋と事件簿♥
詐欺行為をしてる、骨董屋の店主の家への家宅捜査。

私と斗真は、店主と共謀してる暴力団組員の部屋へ行く事になってる。

出勤時刻は10時30分と調べてある為、みんなで一斉に出ても間に合う。

相手が逃げてなければの話だけど。



「行くか」



「はい」



斗志樹も出て来て、私たちはそれぞれ割り当てた車に乗り込み、署を出た。

途中、私たちは離脱し、骨董屋から離れたアパートを目指す。



「七星、無事に全う出来ると思う?」



運転する斗真に問い掛けると、「そう信じるしかない」と言われた。

…まぁ、そうなんだけど。

煙草を吸いながら、移り行く町並みを見て過ごす私に、斗真は「一本」と言って来た。

斗真は子供が生まれてから禁煙を心掛けてるらしいけど、たまにどうしても吸いたくなるらしい。

今まで、感情のコントロールをニコチン任せにしてたせいか、特にイライラを抑えるのが大変らしい。

禁煙をした事のない私には、全くわからないけど。



「車あり。まだ居るみたいだな」



現場に着くと、斗真は車から降りて、アパートの駐車場に立った。

この建物には不釣り合いな、高級車のスポーツカータイプ。

どっから巻き上げたお金で買ったのか。

詐欺で得たお金だけで買えるのだろうか。
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