♥恋と事件簿♥
私は時計で時間を確認し、暴力団組員の玄関をノック。



「タカラダさん、おはようございます。確認したい事があって伺いました。タカラダさーん。お話良いですか?」



裏には逃走を防ぐ為に斗真が居る。

それにまだ逮捕とは決まってない。

七星の電話によっては逮捕だけど、さてどうなるか。



「居るのわかってますよー?」



「……何ですか」


シツコさに観念したのか、嫌そうな顔して渋々と言った感じで出て来た男は、ただの大学生にも見えなくない男だった。

ガサ状を見せながら説明しつつも、見た目に騙されないように足でドアを押さえる。



「主任!」



だが、斗真が表に回って来て“逮捕”とジェスチャー。



「共犯の人が認めたらしいので、タカラダさん。貴方を緊急逮捕とします」



「俺、何も知りませんが」



「調べる為に来たけど、向こうが認めたらしいから逮捕」



わっぱを嵌め、チェーン部分にロープを縛る。

ロープを引っ張りながら、1階に降りる。



「……捕まってたまるかっ!!」



「――待てや!」



…あーあ、逃げるなんて。

私から逃れられるわけないのに、愚かな男。

私は電柱にロープを巻き付け、逃走を阻止。

男に近付いた。



「だせぇ男やな(笑)」



ーードカッ

ニヤリと笑いながら、間髪入れずに、タカラダのお腹に膝蹴りを決めた。

逃亡とか、罪がデカクなる事してどうするのか。



「あーあ;;」



同情の余地はない筈だけど?
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