♥恋と事件簿♥
「白々しいですわ!黒田さんのお義父様からお聞きましたが、お付き合いされてなかったようですね?」



「あ……」



「おじ様にお願いして、お付き合いの許可を頂きましたの!」



「……何ソレ」



「あ、姉貴?;;」



…良い大人が、そこまでして迫るの?

だいたい、嘘も方便。

吐き続ければ、事実にもなる。

付き合っちゃってるんですけど。



「ですから、黒田さんのお義父様にお願いを致しまして――…」



「私を敵に回したら知らん言うたよね」



「……で、ですが!!」



「政治家が何や――…」



「愛依!;;」



「姉貴、ストップ!;;」



飛び掛かりはしないのに、私を押さえ込みに来た斗志樹と斗真。



「お前、俺がこんな女と付き合うわけないから落ち着け!;;」



「“こんな女”……?」



「そうそう!兄貴はもうただの女と付き合えるわけねぇだろ?姉貴より上の女はなかなか見付からないしな!」



「“ただの女”……?」



「という事で、危険なのでお引き取りを――…」



「こんな侮辱、初めてですわっ!!」



私を必死にフォローする2人の後ろで、女性は怒りに震えて居た。

斗真がドアを開けて見送ろうとすると、真っ赤な顔で叫ぶ。

相当、ご立腹なようだ。
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