♥恋と事件簿♥



「よぉ愛依!斗志樹君も久しぶり」



「「ご無沙汰してます;;」」



翌日、私と斗志樹は斗真に拉致られた。

久々の山下家は、リフォームして2世帯住宅。

隣には苺のお祖父ちゃんが住んでた家で、野神の叔父さんたちが住んでる。

そのまた隣も野神家が居るけど、血が遠くなってるせいか、お祖母ちゃんなしで行く事はない。

守優-シュウ-叔父さんに出迎えられ、頭を下げながらリビングに行くと、母親と七海-ナナミ-叔母さんがキッチンに立ち、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんの相手を、父親と七星でして居た。



「お祖父ちゃん、お祖母ちゃん久しぶり」



「ん」



「愛依、久しぶりね!」



相変わらずクールなお祖父ちゃんと、笑顔の眩しいお祖母ちゃん。

まだまだ若く見えるその姿に、元気さが窺える。



「祖父ちゃん祖母ちゃん。黒田さんの息子。うちの課長で、例の姉貴の彼氏だよ」



「どんな紹介だ;;」



斗真の紹介に、斗志樹は引き攣った笑顔を崩さないようにボソボソと呟く。

「出来した!イケメン!」と、謎の発言をするお祖母ちゃん。



「けど、どうせ“やっぱり一番は北斗!”って思ってるんだろ」



「当たり前じゃない。何を言ってるの」



叔父さんがビール片手にお祖父ちゃんの隣に座りながら言うと、真顔で言い放つお祖母ちゃん。

お祖父ちゃんと叔父さんは、ハッキリ言って同じ顔なのに、何故こんなにも態度が違うのか。
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