♥恋と事件簿♥
第二部 ③〜権力〜
「大変!大変!大変だよーっ!!;;」
「七星、あんた何歳なの?私のランチが傾くでしょ?」
「そんな事より、大変なんだよ!!」
9月に入り、1週間。
相変わらずクールビズでポロシャツながら、日焼け対策はばっちり。
最近は首の傷が日焼けで浮かないように、UVカットのネックカバーまで付けてる。
通販で見つけて、白と黒の2色でアームカバーと合わせて3千円ちょっとで一目惚れ。
みんなには呆れられたけど、暑くもないサラサラとした生地で私はお気に入り。
暑さが引くまで止めるつもりはない。
襟元を直し、七星に買って来て貰うように頼んだコーヒーショップのサンドイッチが傾いて崩れてないか確認。
ここのはフランスパンで横向きに入ってるし、容器が少し大きいせいか崩れやすいのに。
何とか無事らしい為、臼杵が淹れてくれたアイスコーヒーを手前に寄せて、昼食タイム。
通常は4等分に切られてるけど、私はいつも6等分の一口半のサイズにして貰ってる。
「俺の話を聞いて!!」
大口を開けて齧り付こうとしたのに、七星により阻止された。
間抜け面で睨みながら七星を見ると、「どうしたんだよ?」と、斗真が近付いて来た。
「叔父さんがやっちゃったらしいよ!!」
斗真に組まれた肩に回された腕も気にせず、私と斗真に叫ぶ。
叔父さんは……うちの父親だろう。
けど、あの人が何をやらかすと?