♥恋と事件簿♥
―斗真SIDE―



「ふざけんな!!」



放火犯として捕まえた男が自供した、悠呀君の轢き逃げ事件。

今朝、姉貴にあったらしい電話の女の夫によるもの。

キレた挙げ句、意識を飛ばした姉貴。

課長……、元い兄貴が医務室に運んでくれたのだが、駆け付けた親父が激怒した。

これにも母親も怒り顔で、事を説明した兄貴に「原田実咲にも会わせて」と言い出した。

だが、親父の怒りはそれだけじゃないらしく、姉貴に付きまとってた監査役にも向けられた。

追い返し、本庁の誰かに電話をし、姉貴が眠るベッドに腰掛ける。



「芽依実、親父さんとお義兄さんに連絡しろ。俺はあの席を降ろされようと、愛依の父親として犯人も嫁も許さへん」



「そうね。私も母親として許さない」



母親は親父に頷き、祖父ちゃんと叔父さんに連絡をし、監査に至った経緯の調べと中止を求めた。



「案内してくれるよな」



「はい」



「愛依は七星に任せろ」



「わかった」



七星に連絡しながら、医務室を出る親父を3人で追い掛ける。

父親の車へと乗り込むと、兄貴の案内で車が発進された。

言わずともわかる、原田実咲の家に向かってると言う事。



「…………!?」



隣に座る母親に手を握られ、驚くも泣きそうな顔にそのままにした。

俺も子を持つ親。

娘の寧々が……と考えると 気持ちがわかる。
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