好きになってごめん
「………意味わかんないし」


ポツリと言ったその一言。
それを、友達は聞き逃さなかったみたいだ。


「……素直じゃないね」


「えっ?」


「好きなんでしょ?なんで素直にならないの?」


友達の言葉が胸に刺さる。


ってか………


「アイツのこと、好きだなんて言ってないじゃん」


「そんなの見てればわかるよ。……ねぇ、もうちょい素直になれば?」


……そんなの、言われなくてもわかってる。


あたしだって素直になりたいよ。


でも、幼馴染みという壁が邪魔をするんだもん。


何年も一緒にいたあたしたち。
だからこそ、素直になりにくい部分もあって………。


「……あたしだって、素直になりたいよ。でも、無理なんだもん」


「なりたいって思うなら変わらなきゃ。なにもしなければ変わらないよ?」


「………っ、あんたになにがわかんのよっ!!」


あたしは友達にそう言うと、席を立って走り出した。










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