好きになってごめん
「………あはは。冗談よしてよ。あんた、好きな人つくらない主義だったじゃん」


「確かにそうだったけど………あの子は好きになっちゃったんだよ」


………どうしてだろう。


誰にもなびかなかったアイツが、好きな人ができるなんて。


馬鹿みたいじゃない。


アイツが好きな人をつくらないのは、あたしが好きだからなんて勘違いして。


馬鹿馬鹿しいにも程がある。


「………名前、なんていうの?」


「え?」


「顔、よく見えなかったの。同じ学年でしょ?名前、なんていうの?」


あたしはアイツにそう聞く。


「いや、それはちょっと……」


でもアイツは答えてくれなくて。


「もー。ここまで話したんだから言ってくれたっていいでしょ?名前、なんていうの?」










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