好きになってごめん
あの日から、いつの間にか時間は過ぎて行き、あっという間に文化祭になっていた。


アイツとは本当に話していなくて。


いつもしていた登下校もしなくなった。


回りもあたしたちの変化には気づいてて、初めは「どうしたんだよ?」とか言ってたけど、今は誰も何も言わなくなっている。


店番も終わり、今は友達と二人で校内を回っている。


「………本当に私でよかったの?やっぱりあの人と回った方がよかったんじゃ……」


彼女はさっきからそんなことを言っている。


あたしがアイツと回らなくてよかったのか、って。


「いーの!それに、アイツは他の人と回るって言ってたもん……」


だから……これ以上アイツの話をしないで。


「そっか……。とりあえず楽しもうか!」


ニッコリ微笑む彼女。


あたしはその笑顔に心が少し軽くなった。










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