好きになってごめん

教室に戻るとアイツがあたしに話しかけてきた。


「さっき、どうしたんだよ？」


アイツの声は、焦ってる感じだった。


「………別に。なんでもないって言わなかったっけ？


それより、先生来るからもう席に座るね」


とは言ったものの、アイツとはまた同じ席みたいで。


これ以上あのことについて聞かれるのが嫌で話を無理矢理終わらせたのに、結局席についてもその話をしていた。


「………なんで泣いてたの？」


先生が入ってきて、HRが始まってるのに、アイツはあたしが泣いてたことについて聞こうとする。


「だから、なんでもないって言ってんじゃん。なんであんたに言わなきゃなんないの？」


「……気になんだよ。俺、お前になんかしたかなって。俺のせいで泣いたんじゃないか、って……」