好きになってごめん
………イヤな予感がする。


なんか、聞いてはいけないような……。


「ごめんっ!ちょっと体調悪いから明日でもいい?」


「……あ、ごめん!帰るか?」


「うん。……ごめんね」


「ううん。別に」


そんな会話をしながら玄関に行き、家までの道ではどちらも口を開くことはなかった。


……その沈黙でわかるよ。


あたしも聞きたくなくて会話を遮ったけど、あんただって、あたしが泣いたから言うのを躊躇ってるよね?


………そんなに、気にしなくていいんだよ?


あたしを気にせずに言ってくれていいんだよ?


………付き合うことになったって。


「……じゃあ。明日も、同じ時間でいい?」


「おう。じゃあな!」


アイツはそう言って家の中に入っていった。










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