好きになってごめん
「うん、わかってる」


適当に返事をして、携帯をぼーっと眺める。


「もう、携帯ばかりいじってないで、勉強もしなさいよ」


「うん、わかってるよ」


また適当な返事をして、あたしは携帯の画面を見つめる。


「………ならいいけど」


あたしになにを言っても無駄だと思ったのか、お母さんはそう言うとあたしの部屋を出ていった。


お母さんがテーブルに置いていったおやつを見る。


ココアとカップケーキが二個。


それに手を伸ばしたけど、食べる気になれなくてその手を引っ込めた。


そして、暗くなった携帯の画面をまた見つめる。


いつもこうやって、アイツからメールが来るのを待ってるんだ。


決してあたしからはメールはしないけど。


アイツから来たら、返信できるから。










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