龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
4
「ちょっと話して来る」
松本さんは、長谷川くんの方へ歩いて行った。
「待ってる?」
悟くんがわたしに言った。
「うん。その方がいいと思う」
「おはよう。メール見てくれた?」
松本さんが穏やかな声で長谷川くんに言う。
「見たよ」
長谷川くんの方は喧嘩腰だ。
「あんな早くに家出て今頃来るなんて、どこで何してたんだよ」
「今日は君を避けてたの。でも、卑怯だった。はっきり言うね。毎朝迎えに来てほしくないの」
松本さんは、顔を上げて真っ直ぐに長谷川くんを見た。
「どうして? 俺、何か気に障ることした?」
「そうじゃなくて、普通に登校して、普通に会ったら『おはよう』って言える関係でいたいの」
「それじゃ、ほとんど会えない。最近は図書室にも来てくれないし」
「いつもベッタリ一緒にいたら、付き合っているのと変わらないでしょ。じゃあね」
松本さんは手を振って歩き出した。
「加奈? 待って、加奈!」
松本さんは、長谷川くんの方へ歩いて行った。
「待ってる?」
悟くんがわたしに言った。
「うん。その方がいいと思う」
「おはよう。メール見てくれた?」
松本さんが穏やかな声で長谷川くんに言う。
「見たよ」
長谷川くんの方は喧嘩腰だ。
「あんな早くに家出て今頃来るなんて、どこで何してたんだよ」
「今日は君を避けてたの。でも、卑怯だった。はっきり言うね。毎朝迎えに来てほしくないの」
松本さんは、顔を上げて真っ直ぐに長谷川くんを見た。
「どうして? 俺、何か気に障ることした?」
「そうじゃなくて、普通に登校して、普通に会ったら『おはよう』って言える関係でいたいの」
「それじゃ、ほとんど会えない。最近は図書室にも来てくれないし」
「いつもベッタリ一緒にいたら、付き合っているのと変わらないでしょ。じゃあね」
松本さんは手を振って歩き出した。
「加奈? 待って、加奈!」