龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
我が心は変わる日なく
1
「今朝は絶好の名場面を見逃しましたぁ」
昼休みの学食で、いつもの席にやって来た美月が、いかにも無念そうに言う。
「何かあったの?」
わたしがそう言うと、美月は割り箸を口にくわえて割ってから、
「三田先輩のことですよ」
と言った。
わたし?
「うちのクラスのチャラ男の胸倉つかんで、一喝したんでしょう?」
それ違うから
「その後、大野先輩が『屠殺場送りになりたいの』って 啖呵を切ったって」
いや、それも違うから
「で、ハッセーは泣いて謝った」
泣いたけど泣かせた訳じゃないから
「すごい尾ヒレじゃない」
亜由美が笑った。
「それより美月、あんた割り箸手で割りなさいよ。オヤジくさい。美少女がだいなしだわ」
「美少女は何をやっても美少女なんです」
あー、自信持ってそう言えるあんたってすごいわ
昼休みの学食で、いつもの席にやって来た美月が、いかにも無念そうに言う。
「何かあったの?」
わたしがそう言うと、美月は割り箸を口にくわえて割ってから、
「三田先輩のことですよ」
と言った。
わたし?
「うちのクラスのチャラ男の胸倉つかんで、一喝したんでしょう?」
それ違うから
「その後、大野先輩が『屠殺場送りになりたいの』って 啖呵を切ったって」
いや、それも違うから
「で、ハッセーは泣いて謝った」
泣いたけど泣かせた訳じゃないから
「すごい尾ヒレじゃない」
亜由美が笑った。
「それより美月、あんた割り箸手で割りなさいよ。オヤジくさい。美少女がだいなしだわ」
「美少女は何をやっても美少女なんです」
あー、自信持ってそう言えるあんたってすごいわ