龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
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「僕の方は、志鶴がいつ自分の誕生日だって思い出すのかなって思っていたんだけど」
圭吾さんは可笑しそうに言った。
「母や彩名は、自分の誕生日を忘れる人なんていないって言っていたんだ」
「普通はそうよね。でもバカみたいなんだけど、本当に忘れてた。だって、バレンタインデーの準備なんて初めてやったんだもん」
「僕としてはすごく嬉しいお言葉だね」
圭吾さんはそう言いながら、バスケットから大きなランチボックスを取り出した。
「何か色々詰めてくれたみたいだよ」
小ぶりのバースデーケーキは和子さんとお手伝いさん達からのプレゼント
管理人の沢口さんからはミニブーケ
ワイングラスにジンジャーエールを注いで、二人で乾杯の真似っこをした。
「二十歳になったらシャンパンでお祝いしよう」
ランチボックスの中身を少し食べてから、わたしは他のプレゼントの包みを開けた。
伯母様からは最初の二ページが写真立てになっている本型のアルバムだった。
『今時、アナログだね』って圭吾さんは言ったけど、圭吾さんと一緒に写真を撮ってこれに入れようって心に決めた。
親父からのプレゼントもあった。
お正月に圭吾さんに預けて行ったのだという。
何かのノートのようだ。
圭吾さんは可笑しそうに言った。
「母や彩名は、自分の誕生日を忘れる人なんていないって言っていたんだ」
「普通はそうよね。でもバカみたいなんだけど、本当に忘れてた。だって、バレンタインデーの準備なんて初めてやったんだもん」
「僕としてはすごく嬉しいお言葉だね」
圭吾さんはそう言いながら、バスケットから大きなランチボックスを取り出した。
「何か色々詰めてくれたみたいだよ」
小ぶりのバースデーケーキは和子さんとお手伝いさん達からのプレゼント
管理人の沢口さんからはミニブーケ
ワイングラスにジンジャーエールを注いで、二人で乾杯の真似っこをした。
「二十歳になったらシャンパンでお祝いしよう」
ランチボックスの中身を少し食べてから、わたしは他のプレゼントの包みを開けた。
伯母様からは最初の二ページが写真立てになっている本型のアルバムだった。
『今時、アナログだね』って圭吾さんは言ったけど、圭吾さんと一緒に写真を撮ってこれに入れようって心に決めた。
親父からのプレゼントもあった。
お正月に圭吾さんに預けて行ったのだという。
何かのノートのようだ。