龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
「それは、あなた様がお求めになった場合の事。こちらから差し上げる分には、かまいませぬ。どうか
お受けになって」
わたしは迷いながらも紙の花を受け取った。
小さな赤い花
受け取った途端にわたしの無くした記憶が蘇った。
あら! 本当に神様の花だわ
「それをお隣りの方にお渡しなさい」
巫女さんが言う。
そうね
そのための花なんだ。
「はい。安達くん、これあげる」
わたしは、一緒にいた男の子の名前を思い出して言った。
「いいの? わぁー、すっごく嬉しい」
安達くんはニッコリと笑って紙の花びらを撫でた。
「ずっと、三田さんの事好きだったんだ。話し掛けたくてもなかなかできなくて」
「そうだったの」
「ずっと心に引っかかってた。でも、これでお別れを言えるよ」
「そうね。好きでいてくれてありがとう」
「さようなら。幸せにね」
安達くんは笑顔で手を振って、鳥居の外に出て
消えた
お受けになって」
わたしは迷いながらも紙の花を受け取った。
小さな赤い花
受け取った途端にわたしの無くした記憶が蘇った。
あら! 本当に神様の花だわ
「それをお隣りの方にお渡しなさい」
巫女さんが言う。
そうね
そのための花なんだ。
「はい。安達くん、これあげる」
わたしは、一緒にいた男の子の名前を思い出して言った。
「いいの? わぁー、すっごく嬉しい」
安達くんはニッコリと笑って紙の花びらを撫でた。
「ずっと、三田さんの事好きだったんだ。話し掛けたくてもなかなかできなくて」
「そうだったの」
「ずっと心に引っかかってた。でも、これでお別れを言えるよ」
「そうね。好きでいてくれてありがとう」
「さようなら。幸せにね」
安達くんは笑顔で手を振って、鳥居の外に出て
消えた