龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
さようなら 安達くん
三年間、同じクラスだったね
もの静かで優しい眼差しの君
今、この瞬間まで思い出せなかった。
あなたは中三の冬に事故で亡くなったんだった。
他のみんなも気が付かなかったはずよ。
知ってる顔ばかりなのに一人多い。
国語の教科書に載っていた座敷わらしの昔話みたいに
「オーイ、しー! 何してんだ? 置いてくぞ」
鳥居の外で航太が呼んだ。
「今、行く!」
わたしは大きな声で返事をして、小走りでみんなのところに向かった。
いつだって、目に見えるものが全てじゃない。
三年間、同じクラスだったね
もの静かで優しい眼差しの君
今、この瞬間まで思い出せなかった。
あなたは中三の冬に事故で亡くなったんだった。
他のみんなも気が付かなかったはずよ。
知ってる顔ばかりなのに一人多い。
国語の教科書に載っていた座敷わらしの昔話みたいに
「オーイ、しー! 何してんだ? 置いてくぞ」
鳥居の外で航太が呼んだ。
「今、行く!」
わたしは大きな声で返事をして、小走りでみんなのところに向かった。
いつだって、目に見えるものが全てじゃない。