龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
どうしようもなくて、手にアイスクリームカップを持ったまま、肘を圭吾さんの肩に乗せた。
「苺の匂いがする」
キスの合間に圭吾さんがつぶやいた。
それ、アイスクリームの匂いよ
「どうして僕の思いは、いつも君に伝わらないんだろう?」
十分に伝わってるってば!
「――たぶん」
わたしは、やっとのことで言葉を挟んだ。
「たぶん、アイスクリームのカップをどこかに置かせてくれたら、もっと熱心になれると思うんだけど」
圭吾さんは、やっとわたしの不自然な体勢に気づいた。
「何、持ってるの?」
「アイスクリームのカップとスプーン」
それ以外に何があるって言うのよ。
わたしは圭吾さんから少し体を離して、両手を自分の前に持って来た。
「もうほとんど入ってないけど」
むっつりとして言うと、圭吾さんが声を立てて笑いだした。
何よ
「気がそれてるなと思ったのは、そいつのせい?」
「苺の匂いがする」
キスの合間に圭吾さんがつぶやいた。
それ、アイスクリームの匂いよ
「どうして僕の思いは、いつも君に伝わらないんだろう?」
十分に伝わってるってば!
「――たぶん」
わたしは、やっとのことで言葉を挟んだ。
「たぶん、アイスクリームのカップをどこかに置かせてくれたら、もっと熱心になれると思うんだけど」
圭吾さんは、やっとわたしの不自然な体勢に気づいた。
「何、持ってるの?」
「アイスクリームのカップとスプーン」
それ以外に何があるって言うのよ。
わたしは圭吾さんから少し体を離して、両手を自分の前に持って来た。
「もうほとんど入ってないけど」
むっつりとして言うと、圭吾さんが声を立てて笑いだした。
何よ
「気がそれてるなと思ったのは、そいつのせい?」