龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
4
「志鶴――」
耳元で低い声が囁く。
わたしは両手を差し延べて、圭吾さんの首に手を回した。
また、夢ね
わたしは圭吾さんを引き寄せてキスをした。
ゆっくりと優しく唇を探られて、ため息が漏れる。
「ねえ、とってもかわいいキスだけど、起きて」
あれ? 夢じゃない?
「なぁに? 眠いわ」
「見た事のない男の子のイメージが君の中にあるんだけど」
「またわたしの心、覗いたの?」
「時々、勝手に流れ込んでくるんだよ」
わたしは目を閉じたまま寝返りをうって、圭吾さんの胸に頬を寄せた。
「どんな男の子?」
「中学生くらいかな。赤い何かを手にしてる」
「ああ……言ったじゃない。八幡神社で会った同級生よ」
「男の子だって言わなかったじゃないか」
「幽霊にまでヤキモチ妬く気?」
「もちろん」
「困った人。圭吾さんが一番好きよ」
「だといいな」
耳元で低い声が囁く。
わたしは両手を差し延べて、圭吾さんの首に手を回した。
また、夢ね
わたしは圭吾さんを引き寄せてキスをした。
ゆっくりと優しく唇を探られて、ため息が漏れる。
「ねえ、とってもかわいいキスだけど、起きて」
あれ? 夢じゃない?
「なぁに? 眠いわ」
「見た事のない男の子のイメージが君の中にあるんだけど」
「またわたしの心、覗いたの?」
「時々、勝手に流れ込んでくるんだよ」
わたしは目を閉じたまま寝返りをうって、圭吾さんの胸に頬を寄せた。
「どんな男の子?」
「中学生くらいかな。赤い何かを手にしてる」
「ああ……言ったじゃない。八幡神社で会った同級生よ」
「男の子だって言わなかったじゃないか」
「幽霊にまでヤキモチ妬く気?」
「もちろん」
「困った人。圭吾さんが一番好きよ」
「だといいな」