龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
3
「愛って何?」
放課後の図書室で、わたしは両手で頬杖をつきながら尋ねた。
「何? そんな哲学的な話がしたくて僕を呼び出したの?」
悟くんが怪訝そうに言った。
「そうじゃなくて、相談したかったの」
「何を? 君と圭吾が手にしているものが『愛』だと思うけど」
やっぱりそうよね
「でもね、圭吾さんを見ていると、わたしの気持ちって伝わっていない気がして」
「伝わっているだろ?」
そうなの? だとしたら……
わたしはハァーっとため息をついて、学習テーブルの上に両手を投げ出して突っ伏した。
「わたしの愛情が足りないんだわ」
「ねえ、話が見えないんだけど」
「圭吾さんはわたしじゃ不満なの」
「はぁ? 圭吾がそう言ったの?」
「圭吾さんはそんな事言わないわよ。優しいもの」
悟くんは疑わしげな表情を浮かべた。
「君に嫌われるのが怖くて、特大の猫を被ってるだけだよ」
放課後の図書室で、わたしは両手で頬杖をつきながら尋ねた。
「何? そんな哲学的な話がしたくて僕を呼び出したの?」
悟くんが怪訝そうに言った。
「そうじゃなくて、相談したかったの」
「何を? 君と圭吾が手にしているものが『愛』だと思うけど」
やっぱりそうよね
「でもね、圭吾さんを見ていると、わたしの気持ちって伝わっていない気がして」
「伝わっているだろ?」
そうなの? だとしたら……
わたしはハァーっとため息をついて、学習テーブルの上に両手を投げ出して突っ伏した。
「わたしの愛情が足りないんだわ」
「ねえ、話が見えないんだけど」
「圭吾さんはわたしじゃ不満なの」
「はぁ? 圭吾がそう言ったの?」
「圭吾さんはそんな事言わないわよ。優しいもの」
悟くんは疑わしげな表情を浮かべた。
「君に嫌われるのが怖くて、特大の猫を被ってるだけだよ」