龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
「そうかなぁ……」
「僕を信じろ」
「俺を信じろ」
ん?
悟くんの声に被さるように、別の声が同じ台詞を言った。
声のした方を見ると、書架の間に男の子がいて、どうやら一緒にいるの女の子に向かって言ったようだ。
「俺が好きなのは加奈だけだって」
はぁ、そうですか……
見るからにチャラいあなたに言われても、信憑性に欠けるよね
そう思いながら、加奈ちゃんって子を見ると――げっ! 嘘でしょ!
そこにいたのはうちのクラスの松本軍曹、もとい松本委員長だ。
「あれは一年の長谷川だな」
悟くんが小声で言った。
「一年の長谷川くんって、美月と同じクラスの?」
「うん。学年一の秀才で、学校一のチャラ男さ」
「じゃあ、松本ぐん――さんの彼氏って……わっ!」
わたしは大きな声を出しかけて、慌てて自分で自分の口を塞いだ。
長谷川くんが長身の身を屈めて、松本さんにキスをしたのだ。
「僕を信じろ」
「俺を信じろ」
ん?
悟くんの声に被さるように、別の声が同じ台詞を言った。
声のした方を見ると、書架の間に男の子がいて、どうやら一緒にいるの女の子に向かって言ったようだ。
「俺が好きなのは加奈だけだって」
はぁ、そうですか……
見るからにチャラいあなたに言われても、信憑性に欠けるよね
そう思いながら、加奈ちゃんって子を見ると――げっ! 嘘でしょ!
そこにいたのはうちのクラスの松本軍曹、もとい松本委員長だ。
「あれは一年の長谷川だな」
悟くんが小声で言った。
「一年の長谷川くんって、美月と同じクラスの?」
「うん。学年一の秀才で、学校一のチャラ男さ」
「じゃあ、松本ぐん――さんの彼氏って……わっ!」
わたしは大きな声を出しかけて、慌てて自分で自分の口を塞いだ。
長谷川くんが長身の身を屈めて、松本さんにキスをしたのだ。