龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
話の半分は分からない
「要するにね」
彩名さんが口を挟んだ。
「彼女がデザインした服をお人形に着せるの」
「そして、同じ服を初夏のコレクションとして、うちの会社が売り出すのよ」
少し分かったわ
「わたしは何をすればいいんですか?」
「採寸させて」
へっ?
「あなた、人形にちょうどいい体型よ」
「胸が小さいからとか?」
「当たり。わたし、ヨーロッパのアンティークドールのような服を考えているの。ナイスバディじゃダメなのよ」
見せられたスケッチブックのスタイル画は、いわゆるロリータファッションっていうやつだった。
「うわっ、かわいい!」
「でしょ? どんなのが好き?」
「うーん、これかな? でも、黒じゃなくて……」
「白? ダークグリーンもいいかなと思ってるんだけど」
「紫ね」
彩名さんが言った。
「志鶴ちゃんのイメージで作るなら紫がいいわ」
「要するにね」
彩名さんが口を挟んだ。
「彼女がデザインした服をお人形に着せるの」
「そして、同じ服を初夏のコレクションとして、うちの会社が売り出すのよ」
少し分かったわ
「わたしは何をすればいいんですか?」
「採寸させて」
へっ?
「あなた、人形にちょうどいい体型よ」
「胸が小さいからとか?」
「当たり。わたし、ヨーロッパのアンティークドールのような服を考えているの。ナイスバディじゃダメなのよ」
見せられたスケッチブックのスタイル画は、いわゆるロリータファッションっていうやつだった。
「うわっ、かわいい!」
「でしょ? どんなのが好き?」
「うーん、これかな? でも、黒じゃなくて……」
「白? ダークグリーンもいいかなと思ってるんだけど」
「紫ね」
彩名さんが言った。
「志鶴ちゃんのイメージで作るなら紫がいいわ」