龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】
4
「悟、呼び出して封じるぞ」
圭吾さんが言った。
「いいの? 生きてる人間を封じたら、最悪、意識は戻らなくなるよ」
そんなのダメよ
「このままでは志鶴がもたない」
まだ頑張れる
「OK でも、まずしづ姫をどこかに座らせた方がいい」
悟くん、止めないの?
「あっちにベンチがあるわ」
美幸? 圭吾さんを止めて
――ああ だめか
羽竜一族は当主の決定には異を唱えない。
もしも圭吾さんを止められる者がいるとするなら、それはわたしだ。
「圭吾さん」
寒気がする。
「こんな寒いところに彼女を閉じ込めないで」
「志鶴? すぐに楽になるから」
「聞こえないの? 彼女をここから出してあげて。寒くて、暗いわ」
「彼女は自分で自分を縛っているんだ。そこから彼女を出してあげられるのは、結局のところ彼女自身なんだ」
圭吾さんが言った。
「いいの? 生きてる人間を封じたら、最悪、意識は戻らなくなるよ」
そんなのダメよ
「このままでは志鶴がもたない」
まだ頑張れる
「OK でも、まずしづ姫をどこかに座らせた方がいい」
悟くん、止めないの?
「あっちにベンチがあるわ」
美幸? 圭吾さんを止めて
――ああ だめか
羽竜一族は当主の決定には異を唱えない。
もしも圭吾さんを止められる者がいるとするなら、それはわたしだ。
「圭吾さん」
寒気がする。
「こんな寒いところに彼女を閉じ込めないで」
「志鶴? すぐに楽になるから」
「聞こえないの? 彼女をここから出してあげて。寒くて、暗いわ」
「彼女は自分で自分を縛っているんだ。そこから彼女を出してあげられるのは、結局のところ彼女自身なんだ」