【短編集】君に届いてほしいから─冬─





「やっべ、超疲れた!」



大和には何気なしに話したんだけど。


「待って俺飲みもん買う!」



「はいはい。」


思いのほか食いついて困った。


飛び跳ねる大和の背中をぼんやりと追いかける。


だけどその奥に見えた人影に、心臓が大きく脈打ったのを感じた。





……あの肩につくくらいの茶色い髪が突然ココアを思い出させたから。




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