【短編集】君に届いてほしいから─冬─





「ありえねえだろ~!」



心のどこかで期待してたのかもしれない。


「あのっ!!!」



彼女が勢いよく振り返った。




あー…やっぱり……。



「これ、どうぞっ!」



「えっ何?嬉しいけ…「じゃ、失礼しました!!!!」




緊張してこわばった顔も、意外に低めな声も、運動できそうな走り方も、全部。



彼女は今、俺の前にいた。





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