【短編集】君に届いてほしいから─冬─
「何かわりーな、もらっちゃって!しかもタダだし!」
大和は嬉しそうにココアをてのひらで転がす。
「つーかあの子もしかしてココアちゃんだったりして!」
「…………そーだよ。」
まさか本当にココア買ってるとはね。
「はあ!?こんなことってあるの!?!?」
こんな偶然、俺だって信じられない。
ニヤついている大和はしかとしておくけど。
俺自身、心のどこかで喜んでたんだと思う。