【短編集】君に届いてほしいから─冬─







「ぷっ何やってんのお前!待ってて俺がそっち行く。」


休みだからか少しセットされた髪が私を目掛けて動いてくる。




まさか新年そうそう会うなんて………






「ほれ、お前さ~俺ら合格祈願にきてんだから落とすなよ!縁起悪ぃだろっ!?」




「はいはい。ごめんね!」




大きな手から合格祈願のお守りを受け取る。





それだけなのに緊張するなんてバカらしいのかな。








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