【BL】独占禁止!!




窓から吹き抜ける風が、フワリと書類を舞いあげる。


パサパサと床に散らばって行く書類の紙を見ながら、ギュッと目を瞑る。


さっきから蓮の動きは止まったままだ。



「頼むから…




これ以上俺をかき乱すなよ…。」




ずっと思っていた事を言った。

頼むから、これ以上俺に触れるなよ…。

頼むからこれ以上俺をお前に夢中にさせるなよ…。

出会ってまだ本の数日。

それなのにもうお前に溺れかけている俺は…どうしたらいいんだよ…。


「蓮…っ…」

蓮の言葉をまちきれずに顔をあげようとした時ーーーー


「あげるなっ!!」


頭上から聞こえて来た蓮の慌てた声。

その声に驚いて、あげかけた顔を下げる。


「…何で?」

「今顔あげられたら…やばいから。」

「??」

訳がわからずはてなマークを浮かべた様な顔をしている俺を見て、フワリと柔らかい笑みを浮かべて俺の頬に指をそえてくる蓮。


「…やっぱりお前は可愛いよ…。誰にも渡さねぇ…俺だけの晴っ…」


愛おしそうに見つめてくるその様に、見とれてしまう。

きっと俺は、これから先、
今以上にこいつに溺れていくんだろう。


「お前だけのもんじゃ、ねーよ馬鹿…」


照れ隠しにこんな台詞を口走った。

なのに蓮は微笑んで。


俺に軽くキスをしてから、床に散らばった書類をかき集め始めたのだったーーー。




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