【BL】独占禁止!!
2.曇天模様


あの日以来蓮が変わった。

俺に構わなくなったし、話しかけてもただ微笑んで軽く相槌をうつだけだし…


それに何よりーーー…


「海原くんっ!」

放課後に女の子達を数人連れて遊ぶ事が多くなった。


嫌、まぁ…高校生だし、そーゆーのが普通なんだろーけど…
何か、さ。

その光景を見る度に胸が苦しくて。


『俺…もしかしたら何かの病気なのかも…』


そんな事を考えながら、ベランダからその様子を眺める。


見えるのはいつも俺に見せてたあの笑顔ーーー。


「…クソッ…」





『何で俺以外にあんな笑顔見せんだよ…』


『何でこんなに寂しいんだよ…。』


頭の中をぐるぐると回り続けるのはこの事ばかり。


「はぁ…」っとため息をついて空を見上げると、頬に何かヒヤリとした物が触れた。


「ーー龍也?」

隣に居たのは龍也。
頬に触れた冷たい物は、紙パックに入ってあるカフェオレだった。


「何?これ?くれんの?」

そのまま差し出されたカフェオレを素直に受け取る。

「ん…。やる。」

同じ様にベランダから景色を眺めながら答えた龍也。

「ありがとう。」

ストローを突き刺して、甘いカフェオレを口に含んだ。


『…甘ぇ…』

感じた瞬間何かが頬を伝う。


「晴…」

< 51 / 174 >

この作品をシェア

pagetop