bitter chocolate.
私は何ごともないように、晃の隣に座った。
雅が悲しそうな顔をする。
だけど、気づかないフリ。
ごめんね、雅。
でも、晃だけは譲りたくないの。
きっと雅は鈍感だから、私の恋心には気づいてないんだ。
「おっ!雪乃の卵焼きうまそう!ちょうだい」
「ん、良いよ」
ひょいと晃の口の中に卵焼きを入れる。
また雅が悲しそうな顔をした。
ごめんね…。
謝ってばかりの恋なら、私が諦めれば良いのに。