君とこんぺいとう
「…もしもし」
『萠、ごめん。夜中に電話して』
耳元で聞こえる隼人の声に胸が高鳴った。
『いま話しても平気か?』
私はためらいがちに返事をした。
「ごめん、あとでかけ直してもいい?」
『分かった。俺の方こそ突然ごめんな』
私は隼人との電話を切ると
田代くんを見た。
「ごめんね、友達からの電話だった」
隼人からだとは言いづらくて嘘をついた。
「いや、いい。
俺ももう遅いから帰るよ。
コーヒーごちそうさま」
田代くんはそう言うと立ち上がった。
なんだか申し訳なくて
玄関まで見送る私を見て、彼は優しく笑った。
「そんな顔するなよ。帰りたくなくなるだろ?」
「ごめん…」
田代くんは私を抱き寄せて深く口づける。
「…んっ」
私は突然の深いキスに彼にしがみつく。
「今日はこれで我慢しとく。
じゃ、またな」
そう言って私の髪をなでると
彼は帰っていった。
田代くんについてしまった小さな嘘。
隼人からの電話で感じた胸の高鳴りに
自分の隼人への気持ちを再認識してしまった私は
田代くんへの申し訳なさでいっぱいだった。
『萠、ごめん。夜中に電話して』
耳元で聞こえる隼人の声に胸が高鳴った。
『いま話しても平気か?』
私はためらいがちに返事をした。
「ごめん、あとでかけ直してもいい?」
『分かった。俺の方こそ突然ごめんな』
私は隼人との電話を切ると
田代くんを見た。
「ごめんね、友達からの電話だった」
隼人からだとは言いづらくて嘘をついた。
「いや、いい。
俺ももう遅いから帰るよ。
コーヒーごちそうさま」
田代くんはそう言うと立ち上がった。
なんだか申し訳なくて
玄関まで見送る私を見て、彼は優しく笑った。
「そんな顔するなよ。帰りたくなくなるだろ?」
「ごめん…」
田代くんは私を抱き寄せて深く口づける。
「…んっ」
私は突然の深いキスに彼にしがみつく。
「今日はこれで我慢しとく。
じゃ、またな」
そう言って私の髪をなでると
彼は帰っていった。
田代くんについてしまった小さな嘘。
隼人からの電話で感じた胸の高鳴りに
自分の隼人への気持ちを再認識してしまった私は
田代くんへの申し訳なさでいっぱいだった。