君とこんぺいとう
里中のおかげで、仕事は夜10時には片付いた。
「あの…ありがとう」
私がそう言うと里中は帰り支度を始めた。
「お前、家近いの?」
「会社から電車で20分くらい」
「じゃ、少しだけ付き合えよ」
里中は私のバッグを勝手に持って
スタスタ歩いて行ってしまった。
「付き合えって…ちょっとっ」
(昨日と同じパターンだ…)
エレベーターを待つ里中に追いつくと
私はバッグをもぎ取った。
「もう遅いから、私帰る」
「今日は付き合ってもらう。
ちゃんと家まで送るから」
里中はエレベーターに乗り込むと
私の腕をつかんで引き寄せた。
私はバランスを崩し
あやうく彼の胸に衝突しそうになる。
ドキンと跳ね上がった鼓動を悟られないように
無表情を装いながら私は言った。
「…手、離して」
「離したら、昨日みたいに逃げるだろ。
だから嫌だ」
子供みたいにそう言うと
里中はエレベーターを降りてどんどん歩いていく。
「どこ行くの?」
「会社の近くの店。ていうか昨日歓迎会で行った店」
私は会社から5分ほどのところにある
洒落た居酒屋に連れて行かれた。
「私、飲めないんだけど…」
しぶしぶ席に座る私に里中は言った。
「別に飲めなんて言ってないだろ。
適当に食べるもの頼むぞ」
私はソフトドリンクを頼むと目の前に座る里中を見た。
私の視線に気づくと
彼はネクタイを緩めながら言った。
「さっきは怒ってごめん。
俺、今日ずっとイライラしてたから」
黙ったままの私を里中は軽くにらんだ。
「お前のせいだぞ」
「あの…ありがとう」
私がそう言うと里中は帰り支度を始めた。
「お前、家近いの?」
「会社から電車で20分くらい」
「じゃ、少しだけ付き合えよ」
里中は私のバッグを勝手に持って
スタスタ歩いて行ってしまった。
「付き合えって…ちょっとっ」
(昨日と同じパターンだ…)
エレベーターを待つ里中に追いつくと
私はバッグをもぎ取った。
「もう遅いから、私帰る」
「今日は付き合ってもらう。
ちゃんと家まで送るから」
里中はエレベーターに乗り込むと
私の腕をつかんで引き寄せた。
私はバランスを崩し
あやうく彼の胸に衝突しそうになる。
ドキンと跳ね上がった鼓動を悟られないように
無表情を装いながら私は言った。
「…手、離して」
「離したら、昨日みたいに逃げるだろ。
だから嫌だ」
子供みたいにそう言うと
里中はエレベーターを降りてどんどん歩いていく。
「どこ行くの?」
「会社の近くの店。ていうか昨日歓迎会で行った店」
私は会社から5分ほどのところにある
洒落た居酒屋に連れて行かれた。
「私、飲めないんだけど…」
しぶしぶ席に座る私に里中は言った。
「別に飲めなんて言ってないだろ。
適当に食べるもの頼むぞ」
私はソフトドリンクを頼むと目の前に座る里中を見た。
私の視線に気づくと
彼はネクタイを緩めながら言った。
「さっきは怒ってごめん。
俺、今日ずっとイライラしてたから」
黙ったままの私を里中は軽くにらんだ。
「お前のせいだぞ」