君とこんぺいとう
「私の?」
「ああ。お前が昨日あんな帰り方するから。
昨日から気になってずっとイライラしてたんだ」
里中に言われて、私はハッとしてうつむいた。
「ごめんなさい…」
店員さんが私のソフトドリンクと里中のビールを持ってきた。
里中はビールを一口飲むと私を見た。
「どうしても気になるから聞くけど
昨日のあれは何だよ?」
「あ、あれって…?」
「自分のこと、変わったって言って逃げただろ?」
「逃げたわけじゃ…」
そう言いかけた私は口をつぐむ。
里中の言うとおりだ。私は昨日逃げ出したんだ。
「変わったってどういう意味?」
答えを聞くまで引きさがりそうにない里中は
綺麗な瞳でジッと見つめてくる。
適当な理由でごまかせそうもないことを感じて
私はしぶしぶ口を開いた。
「私は会社に入ってから変わったの。
もう里中の知ってる高校時代の私じゃない。
人付き合いもろくにしないし、会社には仕事だけしに来てる。
『仕事の鬼』って言われてるくらい。
歓迎会でそういう話、聞かなかった?」
「少し聞いたよ。
何をやらせても完璧だって」
「でも人付き合いが悪いって
みんな言ってたでしょ?」
私はそう言って目を伏せた。
「俺はそんなふうには思わない」
里中は私をまっすぐ見た。
「小川は必要以上に関わらないだいけで
周りともちゃんと連携してる。
でなきゃ、仕事なんて完璧にこなせないだろ」
思いがけない言葉に私の心が揺れた。
「そんなことない…。
仕事だけするロボットみたいだって自分でも思うから。
里中も見てれば分かるよ、私のこと」
「昨日も今日も見てたから分かる」
「ああ。お前が昨日あんな帰り方するから。
昨日から気になってずっとイライラしてたんだ」
里中に言われて、私はハッとしてうつむいた。
「ごめんなさい…」
店員さんが私のソフトドリンクと里中のビールを持ってきた。
里中はビールを一口飲むと私を見た。
「どうしても気になるから聞くけど
昨日のあれは何だよ?」
「あ、あれって…?」
「自分のこと、変わったって言って逃げただろ?」
「逃げたわけじゃ…」
そう言いかけた私は口をつぐむ。
里中の言うとおりだ。私は昨日逃げ出したんだ。
「変わったってどういう意味?」
答えを聞くまで引きさがりそうにない里中は
綺麗な瞳でジッと見つめてくる。
適当な理由でごまかせそうもないことを感じて
私はしぶしぶ口を開いた。
「私は会社に入ってから変わったの。
もう里中の知ってる高校時代の私じゃない。
人付き合いもろくにしないし、会社には仕事だけしに来てる。
『仕事の鬼』って言われてるくらい。
歓迎会でそういう話、聞かなかった?」
「少し聞いたよ。
何をやらせても完璧だって」
「でも人付き合いが悪いって
みんな言ってたでしょ?」
私はそう言って目を伏せた。
「俺はそんなふうには思わない」
里中は私をまっすぐ見た。
「小川は必要以上に関わらないだいけで
周りともちゃんと連携してる。
でなきゃ、仕事なんて完璧にこなせないだろ」
思いがけない言葉に私の心が揺れた。
「そんなことない…。
仕事だけするロボットみたいだって自分でも思うから。
里中も見てれば分かるよ、私のこと」
「昨日も今日も見てたから分かる」